篠田桃紅さん
昨日のニュースで3月1日に天に召されたことを知った。
107歳でいらしたと。
誰でも死を迎えるが他人ごとのようで実感がないため驚いた。
桃紅さんは書道から独自のart世界を開いた。
大正3年が生年なので、明治が明けたばかり。
現在ですら常識不安などから、内なる声は疲れていようとも
社会通念にまみれた生きる道を選択しがちである。
女性が一人で生きていくことすら全くあり得ない無謀な挑戦。
親の決めた相手に嫁ぎ夫と家にかしずき子を産み育てることこそが女の道
当時の当たり前である。
桃紅さんはかの時代の女性でありながら、自身の内なる声に忠実に生きた。
その生きざまが墨を通して表現され
体の奥深くが共振するような静寂の感動を呼び覚ます。
けれどもそれは非常に独自性があり
篠田桃紅が振り回されそうな筆の墨に乗って
和紙に墨跡となって駆けまわっている。
どこまでも続く砂漠ででも果てしなく墨の線を描きたいと語っておられた
旅立たれて夢を叶えておられるだろう。はてなき美へと。